2011年7月30日土曜日

出荷写真とお届け写真

【第10弾・大船渡】
去る22日、三陸支援プロジェクトNext様をサポートさせて頂いた【第10弾】ですが、大船渡にお届け頂いたそうです。打越先生から当計画のFacebookへお寄せ頂いたメッセージとお写真をご紹介します。

打越 岳 いつも大きなご支援をありがとうございます!
今回は主に大船渡市で自宅避難を続ける方々にお届けしま​した。
幸い自宅は無事だったものの自営していた職場を失い、義​援金はもらえず、失業保険ももらえないという苦しい生活​を強いられています。
新鮮な野菜を手にして、みなさん涙を流して喜んでくださ​いました。
可能でしたら、今後ともご支援をどうかよろしくお願いし​ます。

この他のお届け先の写真、全部で20枚ほど御座います。ぜひウェブ・ギャラリーでご覧下さい!

“家が残っていても職を失い……” 前回の記事でご紹介した大槌の方達も同じでした。震災の被害は、私達がテレビなど視覚で認識する以上に広範で長期に及ぶものだという事が分かります。

【第11弾・石巻】
今回は、湊町不動町といった旧市街や半島の大谷川などを回って頂きました。道が凸凹なので卵は止め、夏バテ対策にニンニクをお入れしました。出荷写真ご覧下さい。(お野菜提供:うまい奥の細道様)


【第12弾・大槌】
先方様にお野菜の種類など、何かご希望があるかお尋ねしたところ、(東北人気質でしょうか?)何度かの質問でやっと躊躇いがちに、「トマト、レタスなど水気の多い野菜」とのお答え頂きました。こちらも出荷写真届いております。(お野菜提供:道の駅・石神の丘様)


ビタミン計画、お陰様で本日までに計12回のお届けを実施できました。一人では出来ない事も皆で力を合わせれば可能です。より多くの方のご参加お待ちしております m(_ _)m
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2011年7月28日木曜日

【第11、12弾】は石巻と大槌。月末に2回のお届け!

【ご支援金残高】
本日、19時現在の残高は、213,990円です。申し遅れましたが、【第九弾】大槌支援、そして、前回の山田町支援のお野菜代金は、合計で10万円。15日付で石神の丘様に送金済みです。領収書ご確認下さい。
現時点の7月募金額の総計は、249,580円となっております。有難う御座います! 最大目標額達成しました。よって、今月は計5回のお届け達成すべく、残り二回、以下の通り実行します。

【第11弾・石巻】
第11弾は、東日本大震災ボランティアチームチーム個人的のリーダー末永様にご協力頂く事になりました。末永様は、ご自身も被災されていますが、ボランティア活動や物資の配布など、文字通り毎日、宮城県の北部を走り回っていらっしゃる方です。活動ビデオの一例です。ご覧下さい。



先日、避難所閉鎖後の支援方法などについてご相談したところ、石巻で在宅避難されているご老人への配布役を買って出て頂きました。今回は、報道やボランティアが一切入っていない大谷川にもお届けします。集落一つ完全に消滅、土台さえないような所に「どうしてもここで暮らしたい!」と戻ってきた方がいるそうです。30日のお届け予定です。

【第12弾・大槌】
第12弾のお届け先はにゃんこ先生にご相談し、大槌で在宅避難されている方々の地域をご紹介頂きました。にゃんこ先生は、個人で物資のお届けやボランティア活動をされています。



大槌町は、【第九弾】の記事でも触れましたが、津波とその後の大規模火災でほぼ全域が壊滅します。お届けする地域は、幸い町の奥に位置する為、津波が届きませんでした。しかし、この『家が残っている』という状態が、他の地域からの差別を受ける結果となってしまいます。
商店など町の全てがなくなった為、この地域も他と同様、食べ物、水、おむつ…、あらゆる物資が不足します。しかし、避難所も町役場も『家がある』という理由で物資を分けてくれません。どんなに頭を下げても、支援の対象外だと断られます。空腹にたまりかねた子供が、避難所の炊き出しに行くと「帰れ!」と大人たちに怒鳴られます。配給は、一週間に一度。ネットを通して、外からの直接支援が届くようになってきましたが、本当に毎日お腹をすかせた状態。「何とかして、生きていかなければ」とそれだけで走ってきた毎日だったそうです。
家が残ったこれらの方たちへ、義捐金は一切支払われません車は流され、職は失い、ローンだけは残っている。震災から4ヶ月たってなお、先の見えない不安な生活が続きます。
こちらも、お届けは30日の予定です。


最後に嬉しいお知らせです。“Trust in Japan” というプロジェクトご存知ですか? サイトからツイートすると、1メッセージにつき100円が被災地の救援・復興のために募金されるという仕組みです。こちらの募金の実績というページでは、協賛者からの募金報告リストをご覧になれます。赤十字など名だたる組織が続く中、ポツンと【ビタミン計画】の名が! 有難う御座います!! 100人の声は、『東北の新鮮野菜』に変えしっかり被災地に届けます。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2011年7月21日木曜日

【第10弾】三陸支援!

【第10弾】
記念すべき(?)10回目は、【第五弾】でご支援した打越様にお届けします。打越様は、震災直後から、ご自身の歯科医院がある遠野市(沿岸部へのハブ的な位置)に支援物資を集め、山田町周辺の集落や避難所へ運ぶ、個人活動を続けてきました。約一月前に支援団体三陸支援プロジェクトNextを立ち上げられ、公益社団法人化への準備と平行して支援活動を継続されています。以下に紹介する活動ビデオでは、山間部の美しい自然も見ることが出来ます。どうぞご覧下さい。



【岩手町のお野菜】
今回も、道の駅・石神の丘様に自慢の旬野菜ご用意頂きました。圧巻です。まずは、ご覧下さい。スライドショーが表示されない場合は、こちらのリンクでご確認下さい。



店長の八重樫さんは、お野菜の話をする時とても嬉しそうです。なぜ、岩手町のお野菜は美味しいのか…? 答えは、産地の特殊性にあるようです。
町の中心部より東は北上山地に属し、西は奥羽山脈に近く800m~900mの山岳地帯に囲まれています。特に標高250m~500mの傾斜地に畑が多くあり、年間の平均気温が9.3℃と冷涼な地域でもあります。昼と夜の寒暖差の大きい岩手町は、この地形と気候のおかげで、食物の色や甘み旨みの凝縮された野菜ができます。

フェアトレード東北様】
【第八弾】到着の嬉しいお便り頂きました。団体の皆様は石巻で、在宅避難者の聞き取り調査や行政との交渉、そして、炊き出し、物資の配布など、大変忙しい毎日を送っていらっしゃいます。写真を頂けるなんて思いもよりませんでした。有難う御座います!

 

最後まで読んで頂き有難う御座いました。ビタミン計画、目標は『緩やかで風通しのよいグループによる、息の長い支援』 まだまだ、賛同者さま募集中です。是非ご一緒下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2011年7月17日日曜日

【第九弾】は大槌、富山泰庸様をお手伝いします!

毎日厳しい暑さが続きますね。被災地の方々には、栄養を沢山とって夏を乗り切って頂きたいと思います。ビタミン計画、一口千円からご支援承ります。あなたのご参加をお待ちしております!

【第九弾】
今回は、新しい試みです。吉本興業お笑いコンビ『大蛇が村にやってきた』の富山をサポートさせて頂くことになりました。富山様の震災後の活動は、本当にすごいです。ツイッターでフォローされている方も多いと思いますが、東京で日本医師会会長に被災地の医療問題を説明されていたかと思うと、一転、今度は被災地陸前高田で薬局開設に携わっているといった具合。そもそも、一体いつ寝ていらっしゃるのでしょうか?
「このご活躍ぶり一人とは思えないのです。仲間内では、絶対クローンがいるって言ってます」
「ハハハ、いやー実際何人か欲しいんですよー」
石巻、南三陸、気仙沼……。どこへ行ってもお野菜不足は深刻なようです。
トマト恐怖の16等分切りって分かります? そうやって分けないと皆に回らない」
お届け先は、大槌。本日すでに出荷しております。お野菜は、在宅避難先の方々に配布されるそうです。
大槌町は、観光船が乗り上げた写真でご記憶の方も多いのではないでしょうか。津波とその後の火災で、町は壊滅状態になりました。15日時点の記録では、787人の方が死亡、行方不明者も827人とされています。町長を始め、50~60人の職員が亡くなり、行政は麻痺。復旧が遅れています。町民は、1万2000人にまで減少したとされ、買い物できる場所は、ローソン一軒だけだそうです。

今回、お野菜の支給をして頂いたのは、【第五弾】でお世話になった、道の駅石神の丘様です。
富山様のお話でヒントを得た私は、出来るだけ数多く均等に分けやすい種類の野菜に変更して頂くようお願いし、店長の八重樫様には、発注後にも拘らず、ギリギリまで調整頂きました! そして、こちらが先ほど届いた出荷写真です。
ニンジンの左隣、何だか分かりますか? ヘチマじゃないですよ。ズッキーニです! あと、左下新聞紙で包まれているのが、ご当地岩手町名産の「春みどり」というキャベツです。物凄く柔らかくて美味しいんです! 因みに皆様もオーダー可能です。首都圏あれば翌日に届きます関東・信越、北陸・中部、関西まで翌日のお届け範囲となっています。

【亘理町】
元々、次のお届けは亘理を予定しておりました。
避難所の閉鎖に伴い、現地の方と今後の支援方法について何度か相談させて頂きましたが、以下の理由により暫く様子を見ようという結論に至りました。
①7月第二週の時点で、仮設住宅への物資受付体制が確立されていない
工期ごとに5つの区域に分かれているが、各区域の住民全員に配れる量を用意するようにとの要請がある
①に関しては、自治会ができれば解決すると思います。問題は、②です。例えば200世帯分のお野菜を用意するというのは大変なことです。区域内をグループに分け、順番に割り振っていく体制を整えて頂くようお願い致しました。

最後まで読んで頂き有難うございました。現在、約65名様にご参加頂いております。当面は、80名様にご協力頂けるよう頑張ります。引き続き、拡散ご支援宜しくお願い致します。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2011年7月12日火曜日

【第八弾】お届け完了!

皆様いつも変わらぬご支援有難うございます。当計画も今日で活動2カ月目に入ります。過去の記録を辿ってみると、それなりに進歩してきているようです。(…本当か?) 今後もどうぞご指導お願い致します。

【第八弾】
石巻のフェアトレード東北様あてのご支援無事終了しました。お野菜は、本日14時過ぎ現地に到着しています。うまい奥の細道様から出荷画像いただいております。ご覧下さい。



【ご支援金残高】
昨日、うまい奥の細道様あてに第八弾用のお野菜代金51,840円(+手数料420円)振込みしました。19時現在、残高は244,410円です。

Q & A
内容が古くなっていたので、福島のお野菜について訂正しました。ご確認下さい。

【第九弾】
避難所の閉鎖など、被災地の状況が流動的になっています。現地の方と今後の支援方法について色々とアイデアを出し合っているところです。方針が決まり次第、ご報告します。また、皆さんの活動中に各地域で得た情報など、ご提案頂ければ幸いです。

本日は、以上です。毎日、ツイッターやFacebookでの拡散、本当に有難うございます。一人でも多くの方にお野菜お届けできるよう、今後も頑張ります。宜しくお願い致します。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
 Emai; meg.ezuka@gmail.com
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2011年7月11日月曜日

ご支援金の途中集計など

今日で、震災から4ヶ月目ですね。
この活動を始めて沢山の東北の方とお知り合いになりました。
皆さん、「もっと多くの人に私達の状況を知ってほしい」と仰います。
ビタミン計画、微力ではありますが、震災を風化させないためのお役目も担っていけたらと思います。
本日は、当計画の賛同者様で、今月初め南三陸に行かれた方のボランティア体験記をご紹介します。ちょっと長いですが、会話がメインなので一気に読めます。そして、読み終わったら元気になっていること請負います!

【ご支援金の途中集計】
本日、11日を募金の日としてお願いしたところ、沢山の方にご協力頂きました。誠に有難う御座います。
今月の募金額の総計は、19時時点で171,580円です。今月はぜひとも、岩手県山田町を含む計5回のお届けを実現させたいと存じます。その場合、目標額まで約7万円です。引き続きご支援の程宜しくお願い致します。

【現場の声で綴る被災地ボランティア体験】
7月1日(金)PM23:30頃 東京駅 八重洲口近辺にて

「こんばんは〜」

「あっどうもこんばんは〜。ご苦労様ですぅ。」

観光バスに乗り込む面々。約30名。

フツーの挨拶を交わしているが、目的地は非日常が100日以上続いている場所。

7月2日(土)AM00:00頃 出発

7月2日(土)AM00:30頃 バスの中 首都高速道路上にて
レーベンコーポレーション社社長からの挨拶と説明。
「実は水曜日から現地のボラセン(ボランティアセンター)と連絡が取れていないので、作業内容が把握できていない状態なんですよ……」
「!」
(でも復旧が遅れていると聞いていたので、やることは山ほどあるハズ。)

今回のリーダーとサブリーダーの挨拶。
リーダーからスケジュールと注意事項の説明。
「被災地と被災された方に、敬意を持って作業させていただきましょう。彼の地の方々にとっては、『被災地』ではなく、ご自分達の『ふるさと』ですから。」
「また被災された方のお話を聞く機会がある場合は可能な限り聞いてあげてください。」

自己紹介からいくつか。
「宮城出身なので……」
「レーベンさんのボラバス(ボランティアバス)は△回目だけど、それ以外と合わせると◎回目です」
「大阪から来ました」
「普段デスクワークなのでご迷惑をおかけしないように頑張ります」
「60歳年金生活者です」
「会社経営者です。社内でもボランティア気運が高まっています。まずは自分から経験してみることに……」
色々な人たち。色々な理由。
今回は男性率が高めか。

AM07:00頃 登米市近辺のコンビニにて朝飯兼昼飯購入
「電柱が曲がってる……」
電柱がそれぞれ微妙に傾いている。
家並みを見ると、特に瓦葺きの屋根には顕著にダメージが。

AM08:00頃 国道398号線(本吉街道)で南三陸町に入る
「…………………………」
(一瞥してもう声が出なくなる)
港に近づくにつれ、瓦礫の量は爆発的に増えていく。
『元建物』としか言いようのない鉄骨だけになった3階建てのビルが見えてくる。
「最後まで女性が災害アナウンスをやっていたっていうのはここだな……」
レーベン社社長がつぶやく。

『激甚災害』という言葉をようやく思い出す。

AM08:00過ぎ(正確な時間は失念) 国道45号線(東浜街道)を抜けて地元体育館へ
ここの敷地に設置されたボラセンへ到着。ここでボランティアの仕事の振り分けをしてもらう。
受付から帰ってきたレーベン社社長が一言。
「ちょっとスーパーハードみたいです……」
重機で道の整地等はある程度済んではいるが、民間のボランティアが入るのは今回がほぼ初めての場所らしい。

着替えると、ボラセンで用意されていたライムイエローのビブスが配られる。
「おでってさ来ました!」
背中に堂々たる文字。

AM09:30過ぎ ボラセンを出発(近場までバスで移動)

AM10:00少し前 現地に到着
宮城県本吉郡南三陸町歌津字寄木、これが地名。
「みなさんご苦労さまです」
区長さんが挨拶に来てくれた。

この集落には46戸の住宅と港の施設がいくつかあったが、35戸が全壊および半壊。
港の施設も自分が見た限りでは、壊滅してしまったようだ。

我々が担当した場所は、民家数軒のあった場所と数枚の水田。
基本的に瓦礫を撤去し、燃えるものと燃えないものとに分別して集めること。
瓦礫といってもありとあらゆるものが散乱している。
生活雑貨、家電、家屋、建物、船、船具、漁具、電柱、古いモーターやバッテリー(修理工場のものか?)………町を構成するもの全て。

特に驚いたのは、水田の中に散乱していたアスファルトだった。
地震で緩んだ後、津波で道路から引きはがされたアスファルトが、1〜2m程のサイズに引き千切られ、おそらくは津波の最中に家屋などを粉砕してしまったのかもしれない…………とこれは自分の勝手な推測。

引率のボラセンの方から、注意事項。
「頑張り過ぎないでください。ゆったりやる感じで充分です。」
リーダーからも。
「暑い季節に入ってきているので、30分に一度休憩を入れます」
これらの言葉の意味を、すぐに身を以て知ることになる。

二手に分かれて作業開始。

そしておよそ30分後に休憩。
『フラフラ』なのか『ボー』なのか、どちらかも良く分からない。
覚えているのは、レーベンさんで用意していただいた大量のペットボトルの水(それも極冷え)が何ものにも代え難い『命の水』だったこと。
「キツい………こりゃ大変だ………でも水ウマァ…」
この日は暑さはさほどでもないが、風があまり吹いていなかった。
体を動かして汗をかいても、風がないので体温が下がらない。
よくよく考えれば、熱中症への階段をみんなして登っているようなものである。
「体の動かし方を緩めないと……」

区長さんが再び現れて、お話をしてくれる。
最初は被災についての話だったが、話の趣きが変わってくる。
「この辺りの海産物って言えば、牡蠣、ホタテ、ホヤ、鮭……そうそうタコも有名なんだ、知ってる?」
話が始まると止まらない。
でも、ちょっと和んだ。

「この青い網みたいなものは何ですか?」
町中至る所に散乱している、目の細かい網で出来た袋状の物体のことだ。
魚釣りの道具の『フラシ』にどこか似ている。
これが水田の大物瓦礫に大量に絡み付いて、ちょっとやそっとでは外れない。
「刃物持っているヒトいなかったっけ?」
実は、荒事を想定して鉈を持参していたワタクシだった。
叩いて切るより、ノコギリ引きした方がスマートに切れるようだ。
絡み付く電源コードも鉈で対処。こちらは叩き切りで。

ちなみに青い物体は、
「ホタテの養殖に使うものです」とのこと。

「あ〜息苦しい」
防塵マスクが煩わしくて、早い段階で外してしまった。
幸いだったのは、この周辺があまり臭くなかったことだ。
ハエもいない。
町に大規模な水産加工場がなかったからかもしれない。

PM12:00頃(正確な時間は失念)
「お昼にしましょう!」
銘々で購入した素敵なコンビニランチタイムだ。
『命の水』も大いにいただく。

食べた後、トイレを借りに区長さんのお宅へ。
実は、民宿を経営していらっしゃる。
『体験型農漁家民宿 やすらぎ』という宿名。
瓦葺きの美しい立派なお宅だが、あと2、3メートル水かさが増していたら、大変なことになっていたというお話を聞くことに。

語り手は、区長さんの奥様。
「津波は22メートルあったそうです」
「一回目の波で、あらかた流されました」
「波が引く時は普通港の底が見えるはずなんだけど、いっこうに見えない。実は第二波が港沖の小島の外まで来ていて、引いた波がこれとぶつかり合うんです」
「波同士がぶつかり合う時に、流された物が噛み砕かれるような、何て言うのかな、何とも言えない音が聞こえるんです」
「ここに30人くらいで避難していたんだけど、その音のせいでもうみんな眠れなくなってしまって……」
津波は数回やって来たそうで、その恐怖感は筆舌に尽くし難いものだったそうだ。

「予約されたお客さんの分の食材を買う直前だったので、食料がすぐ尽きてしまって、庭の井戸水でなんとか凌いでいました」
数十日(正確な数字を失念、申し訳ない)この状態が続く。
庭まで津波がもし来ていたら……。

「この上を自衛隊のヘリが何度も通っていったけど、全然気づいてもらえず………」
ライフラインも道も破壊されて、完全に陸の孤島に。

いつのまにか、トイレ休憩に来た20人ほどのボランティアが、おかみさんを囲んでいた。

「私たち、綺麗で豊かな空も緑も海もみんな持っていたけど、『心』だけ持っていなかったんです。お金とか目先の幸せのことしか考えていなかった」
「でも、みなさんが体を張って色々なところからお手伝いに来てくださることが、どんなに心強いことか………」
「人を思いやる『心』をね、これからは持たないといけないですよね」
思いが溢れ言葉が止まらない。
周りの聞き手たちの嗚咽も止まらない。

PM13:00を大分過ぎ
「遅れてすみません」
「ああ、いいんですよ。トイレ渋滞になるのは分かっていたから」
「いえ、みんなで区長さんの奥さんのお話を伺っていたので」
「それは良かった。それも我々の仕事ですよ」

-作業再開-

自分の作業とペースを作らねば。
と、視線が水田の上の無数の瓦に。
思わずクラっとなった。
瓦は、水田の土の中に反埋没状態にあるため、手で引きはがすのが一苦労だった。
おまけに数が多く、当然重い。

おもむろに、瓦の下に鉈をヘラのように差し込み、クイっと引き起こす。
「!」
実に簡単。
「こりゃええわい」
クイっ。スパっ。クイっ。スパっ。
やり始めたら夢中になってしまった。
そして、次の休憩の時には、またもやヘロヘロになっていた。

次のターンでは、ペースをやや抑えてみた。
そして次のターンでは、他の方に替わってもらった。
体力コントロールってのは、なかなか難しいもんだ。

「あれ、何だ?」
木の上の方、地上から10数メートルのところに、どこかで見たようなものが引っかかっていた。
クルマの一部か?
少し横に廻ってから眺める。
一部じゃなくて、軽トラそのものだった。
荷台の後端部分だけが見えていたのだ。
しかし、さすがにもう驚かなくなっていた一同であった。

PM15:00を大分過ぎ
「あと10分で終了で〜す!!」
「ようしあと10分! みなさん頑張りましょうぉ!」
「おぉ!!」
一瞬、ほんの一瞬だけ気持ちが昔に帰った。

ラストスパートで、ネコ(手押しの一輪車)を往復しまくる人。
細かい破片状の残骸を集める人。
残っていたちょい大物をやっつける人。

「終了で〜す!!」

結局片付けたのは、水田を数枚、民家の跡地数件分。
担当した人足は、茅ヶ崎からやってきたチーム約20名(推定)、レーベンチーム約30名、それとボランティアセンターから来た方数名。
ケガ人なし。

PM16:00を大分過ぎ
着替えてから、バスの前で記念撮影。
ボラセンに一度寄り、帰路につく。
南三陸町を再び通過。
町としてはこちらが大きい。瓦礫も当然凄まじい量だ。
「瓦礫の問題か………」
今後の大きな課題の一つとして、尋常ではない量の瓦礫の問題がある。

PM17:00〜18:00頃(大体この時間帯<どんどんアバウトになってきます すみません)
宮城県登米市迫町北方にある『ヴィーナスの湯』でひとっ風呂。
「時間あんまりないから、長湯はご勘弁を………」
と、レーベン社の方。
予定ではPM22:00につくば着だったのだが、時間が押して到着が怪しくなってきたらしい。
ほんとに『ひとっ風呂』だった。

PM22:40頃
レーベン社の方々によるミラクルな運転で、無事つくば駅到着。
「おつかれさまでした」
「また、よろしくお願いしま〜す」
別れの挨拶もそこそこに終電に向かう。
一つの目的のもとに集まり、行って目的を果たし、帰って来てぱっと分かれる。
シンプルなところが実にイイ。
(いいねボタンを思わず押したくなるよね)

=====================================

エピローグ〜電車内にて

リーダーと少し会話。
「レーベン社社長は宮城出身なんですよ」
「今回のことで自分に何ができるかって、考えた末にボランティアバスを出すことにしたそうです」
「まぁ、たまたまあのバスを持っていたというのも、あったみたいですが」

そう、あの観光バスは社長の私物なのである。
仲間内でこれに乗って遊びに行ったりしてらっしゃるそうだ。

「あと1台買っちゃったそうだし、今度からは2台体制になるみたいですから」

ご自分でも運転をなさるほど、そもそもバスがとてもお好きらしい。
とは言え、ご自分の趣味と目的がガッチリとタッグを組んだ、驚くべき好例と言えよう。


さて、来週は大船渡行きが決定している。
「おでってさ行きますから!」

ビタミン計画は、明日で活動2ヶ月目に入ります。まだまだ、賛同者様募集中です。目標は、『緩やかで風通しの良いグループによる息の長い支援』 是非ご一緒下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
 Emai; meg.ezuka@gmail.com
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2011年7月9日土曜日

【第八弾】は石巻です

前回の活動から少し時間が空いてしまいました。申し訳御座いません。次は、石巻のフェアトレード東北様にお野菜お届け致します。

 【ダ・ヴィンチ
ツイッターでは、何度か呟きましたが、雑誌『ダ・ヴィンチ』8月号(7月6日発売)震災特集の支援情報ページに、ビタミン計画(三行ほどです…汗)が紹介されています。
この震災特集、大変充実しています。次回ご支援の石巻に関するところでは、石ノ森漫画館の木村さん と鮮魚店プロショップまるかの佐々木さんのインタヴューは必読です。
 また後半は、復興のために『これから私たちにできること』と題して、11項目にわたって様々な支援の形が紹介されています。これだけあれば ― ボランティアツアーに参加する、或いはチャリティグッズを購入する ― など、その時々の状況に合わせた方法で、支援活動続けていけそうですね。

私達は、たまたま、運命の巡り合わせで、東日本大震災がおきたこの国に生きています。それぞれが自分に出来る範囲で被災地のお手伝いをする。そして、それが仕事や子育てと同じように生活の一部になっていったら…。案外と早く復興までのトンネルを抜けられるかもしれません。

 【第八弾決定
今回も、お野菜はうまい奥の細道さまにご協力頂きます。季節野菜を約10種類、5万円ほどお届けします。配達は、週明けを予定しております。後日出荷の模様を画像でご報告致します。

最後まで読んで頂き有難う御座いました。ビタミン計画、現在約60名の方にご参加頂いております。安定したご支援へ向け、まだまだご賛同者さま募集中です。ぜひご検討下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 【ビタミン計画】 発起人 飯塚めぐみ
 twitter;  
 Emai; meg.ezuka@gmail.com
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------