2011年11月1日火曜日

【第2弾】野菜プランターの会(10月23日)活動報告と感想/木村研太さん

◎開催日と場所
・10月23日 気仙沼市本吉町

◎開催の形態
・23日は、ワンデイ・カフェのグループと現地まで同行し、それぞれ違う仮設住宅にて活動。
プランター終了後は、カフェのメンバーが2名合流し、いわゆる「お茶っこ」のサポートをしてくれた。

◎気仙沼市本吉町の仮設住宅について
・本吉町の中学校を中心に、3箇所の仮設住宅がある。
南側に80戸、東側に8戸、北側に8戸という配置。
・プランターの活動は、東と北の計16戸分を北側の敷地内で行った。
ちなみに、ワンデイ・カフェは、80戸の集会所で活動。
・元々、同じ地区に住んでいたという人が多く、そこそこ顔見知りが多いとのこと。
・避難所は、目の前の中学校だった。
・職業は勤め人が多いらしいが正確なところは自分は聞いていない。
漁業従事者ばかりではないようだった。
・中には2世帯で3戸借りているお宅も。
・既に個人でプランターで野菜を作っているお宅はいくつかある。
チンゲンサイ、小松菜、春菊、レタス、etc.
・基本的に大きい側と小さい側の交流は薄いらしい。80戸側に対する思いは、オーバーに言うと「敵対視している」感じ。
住宅の完成と入居の時期の違いや、(自分の憶測だが)入居時に何らかのいきさつがあったのかもしれない。
・東側と北側の住人曰く、
「あっち(80戸側)は、しょっちゅう支援団体が来たりしてるが、こっちには声がかからない」
「移動販売車が来ない」
「あっちは、インターネットとか出来る人間がいて、外からの支援を乞うたりしてるけど、こっちは年寄りばかりでどうにも出来ない」
「集会所がない(現在嘆願中)」 …….etc.
おおむね、「疎外感」をあらわにした発言が多かった。
・敷地内での住人同士の交流や会話は結構ありそうな感じだった。ただし、北側は敷地内にベンチが一個で、東側は何もなし。
・今回のプランターの会が、初めての支援イベントだった。


◎野菜プランターの会の様子
天気は雲が多いものの、良い天気。
朝出発が遅れたため、目的地に大分遅れて到着。
80戸側の集会所の荷下ろしを手伝うと、プランター隊だけすぐ北側の仮設住宅に移動。
嬉しいことに、敷地入り口付近のベンチの周りに、既に7,8人の方が待っていてくださった。
年齢層は、女川より明らかに高めのようだった。

届いていた資材を確認し、早速作業を開始。
今日は都合によりプランターのメンバーがとても少ない。
が、狭いとは言え、プランターを16個全部並べても共有スペースは全然余裕。
ズラリと並べ、集まってくださった方々と、土入れから開始することに。
すると、皆さん軍手を取り出し始めた。
やる気満々。
素直に嬉しい、と思う。

おっとその前にプランターメンバーの自己紹介をせねば。
リーダーは全然余裕ナシ。
(あ〜あ、昨日自己紹介してなかったヨ……)

手順は、土入れから始めるだけでそれ以降は昨日と変わらない。
こちらは声掛けをするだけ。
みんな真剣に土を均等にならしていく。
真剣過ぎて土を押し固めそうになったりするので、慌てて思いとどまらせる。
浅い溝を掘る。

そして昨日と同じく手渡しで種をみんなの手のひらに乗せる。
昨日と同じく、ハツカダイコンとチヂミ菜の二種類。
昨日に比べ、種はさらにOB気味に蒔かれる。
気にしない気にしない。
「もうちょっと蒔いてみましょうか」
パラパラ。パラパラ。

土をかけてやり、水を与えてやり完成。
本当にあっという間に全鉢終わってしまった。

こちらで持参したテーブルと椅子、そして備え付けのベンチにみんな座り、一休み。
みんなで、お茶っこをする予定にしていたので、「帰る」と言い出したご婦人方をなだめつつ、ワンデイカフェからの助っ人達を待つことに。
すると一人のご婦人が、家からお茶菓子を出して来てくださり、場をつないでくれた。
ほどなく、助っ人達がお茶道具とお茶菓子を持ってやって来てくれた。
そして、急遽テント設営。
実は、お天気がさらに良くなり、日差しがかなりキツい感じに。
日陰が出来て、ようやく落ち着いたお茶っこ会になった。

それにしても、みなさんしゃべるしゃべる。
お天気の良い日に、みんなで外で集まってしゃべりまくる……これこそがここの仮設の需要そのものだったのでは?と、ふと思った。
やはり、集会所もしくはそれに相当する場所って、どんなに小さなコミュニティでも必要なんだなと実感。
そういう場所がヨリシロとして存在すれば、イベントなどがすんなり入りやすくなるんじゃないかと思う。
むろん、ご自分達の手で何かを興すとかを次のステップとして出来ればモアベター。

お昼近くになり、ぼちぼち撤収準備。
そして支援物資の配布。
みんなで記念撮影。
握手。握手。(最初に握手しろよ、オレ)

再会を約束し、お別れ。

この後、ワンデイカフェのお手伝いと撤収を行い、この日の活動を終了した。


◎今後の野菜プランターについて考えられること
1.プランターのアフターケア
・鳥除け虫除けの追加
・種苗の補充
・土の交換。もしくは土の養生。
・種類の追加 >> 東北の冬期は難しいかも。
・病気対策
・プランターの追加 >> 今回の配布分の成り行きを見てから。

2.野菜プランターの会そのものについて
・主旨をはっきりと伝える。 >> 現在リーフレットなどを作る案あり。
・始める時間を明示して、集まってもらってからやる方がよい。 >> 各段取りをよく整理しておく。
・プランターの作業時間そのものは案外短い。お茶っこの時間を設けて会話するなどを最低限セットにすべき。
・もっと話そう。ニーズもズバリ聞いてもよいのでは? >> 次回訪問時にいろいろ聞いてみる。
個人的な理由として:お互いに初対面だったこともあるが、被災した方への禁句というものも自ずからあるため、話しのきっかけが掴みにくかった。「何気ない話題」を引っ張りだすのが、次回からの自分の課題。
・何らかの支援物資は持っていった方がよいのでは? ビタミン計画らしくやるなら野菜とか。
・続けていくとして、いつまでやるのか? 目標点は? 収束させるとしたらどのようにするのか?
・支援箇所は増やせるだろうか? >> アフターケア込みで慎重に検討するべき。
・次回以降、メンバーは固定にすべきか? 公募をかけるべきか?

*次回訪問までに、実施内容を固める。


◎個人の感想
二箇所の仮設住宅の訪問により、それぞれのケースでそれぞれの問題を抱えているんだな、ということを勉強させてもらった。

一つ目の仮設は、未だに生活道路が冠水になる時期があり、生活用のインフラにやや不安を抱えている。
自家用車の不足は、以前より解消されつつあるが、そもそも買い物ができるところが未だに遠いまま。
女川町の中心部(女川浜あたり)の復興が待たれる。

二つ目の仮設は、九月に入居したばかりの小規模仮設の二群で、先行で完成入居済みの大型仮設への手厚い支援を羨望のまなざしで眺めるのみ、という奇妙な事態に陥っている。
集会所は目下存在せず、外にベンチのみ。ご高齢の方も多い。
ただ、顔見知り同士が多いのが救いだった。コミュニケーションまで希薄になってしまったら、集会所どころではなくなってしまう。
「なんとかしたい」という思いも、いくつかの発言の中から感じられたので、今後何かお手伝いができればいいなと思っている。

今回の企画の主旨目的は、この二つに集約される。
・少し先に収穫の楽しみを設けて、気持ちを前向きに持ってもらう。
・野菜プランターをコミュニケーションツールの一つにしてもらう。


気持ちをちょっとでもアゲて欲しい。
冬場でも楽しみを持って過ごして欲しい。


プランターのケアも勿論必要だが、その視野には必ず人間が入っていなければならない。
そのためにも、今回訪問した二箇所を今後継続して訪問していくことは、言わば自明の理。
そして、必要とあらば野菜プランター以外のものに素早く切り替えるという決断が必要になるかも。
(その時は「野菜プランターの会」の看板が別のものに差し替わるだけだ。これだけに固執してはいけない。)

重要なのは「あなたたちを見捨てない」というメッセージを送り続けること、これに尽きる。
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