2012年2月23日木曜日

【第6弾】気仙沼 仮設住宅訪問記(Feb11)/水野牧子さん




ビタミン計画サポーターの皆様、いつもご支援ありがとうございます。2月の現地活動をご報告させていただきます。今回ちょっと長いので2部にわけてみました。お手すきの時にでもゆっくり読んでいただければと思います。


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1日目


夜行バスで東京を出発し、早朝に古川へ到着。周辺には雪が少し積もっていたがレンタカーで沿岸方面へ行くにつれて雪が少なくなっていく。途中、大谷海岸道の駅で手配していた野菜をピックアップ。仕分け中に男性が声をかけてくれた。「大きな仮設には援助が入るんだけど、このあたりのような小さいところにはなかなか誰も来てくれないから本当に助かりますよ」


道の駅では地元のお米、卵、野菜のほかに鮑やうにのおにぎりなど、三陸ならではのおいしい食べ物が色々、そして自分用に色々買い込む。近くのレストランで海鮮丼をいただいたあと、土が盛り上がって捻られたようになった線路を越えて砂浜に降り、改めて三陸の海の美しさに感嘆する。曇り空の下でもまるで沖縄の海のような美しい色と透明度。ここに住んでいる人たちがこの穏やかな海をどれだけ愛していただろうか、と思いを馳せる。震災まで三陸のことをほとんど知らずにいたのはもったいなかった。周辺では民宿も少しずつ再開している様子、夏までにぜひ海水浴場も再開されるといいのだけれど。





今日訪問の小泉の仮設住宅では皆さんが約束の時間に集まってくださっており、それぞれお野菜とお肉が入った袋にバレンタインが近いということでチョコレート、手焼きのクッキーを手渡しした。チョコレートはちゃんとラッピングされていてなかなか見栄えがするもので、クッキーにも袋ごとに一言メッセージがついていて女性陣に喜ばれた。


立ち話の中心はやっと建設が決まった集会所のこと。役所や関係機関をお願いに駆け回った代表の奮闘がついに実ったのだ。着工はまだだったけれど駐車場だった予定地にはアスファルトが敷かれている。無事完成の暁には皆でお祝いしましょう、とか、ここは子供が多いので漫画や本があるといいとか、大工仕事が得意な男性がたくさんいるのでベンチも、等楽しみなアイデアもたくさんでてきた。寒い中の立ち話だったけれど、皆さん寒さを忘れるような明るい笑顔だ。この仮設住宅をはじめて訪れたたときは正直何回通い続けられるか、こちらの押しつけの活動になってしまわないか等色々なことを考えていたけれど、こうやってみなさんと楽しい話をできるようになり、またそれがこれからもここへ通い続けたいという自然な気持ちが自分の中に生まれるのにつながっていることがとても嬉しい。



夜は気仙沼駅近くで宿泊。夕飯に寄った居酒屋では、お店のテレビで地元の信用金庫が被災企業へ融資を行う様子に密着したNHKの番組を流していた。じっと見ていたら女将さんがあの日の話をしてくれた。家のところまでは津波はこなかったけれど、もちろん当日の揺れはすさまじく何日も電気やガスなしで過ごし、今でも怖くてあの日から一度も港に足を運べていないという。こんなとき、いつもかける言葉が見つからない。でも港に行く必要なんてないですよ、片付けとか私たちがしますから、そのために来ているんですから、とだけ言った。


その夜も(正確には早朝)、東京では最近はあまり経験しないような大きな地震がまたあった。(2日目に続く)

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